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診療ネットワークについて

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院長紹介

地域の皆様のお口の健康を守るため、通院が困難な方でも歯科診療が受けられるよう、訪問歯科診療に力を入れている広島県呉市阿賀北の歯医者「藤本歯科クリニック」の院長、藤本文彦医師をご紹介します。ごあいさつのほか、インタビューもあります。

藤本文彦院長

ごあいさつ

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”歯科・医科・介護各事業関係と総合的に連携をとり相談を受けております。いわゆるスーパー・介護ビジネス・コーディネーター”です。

平成元年、生まれ育った呉の地に開院し地域の皆様に支えられて四半世紀が経ちました。地域の皆様が安心してかかれる歯科医院を目指し、誠心誠意、全力でサポートいたしております。

現在、9名のドクターで、迅速かつ丁寧な診療を実践しており、開業当初から行ってきた訪問診療は、現在、約1000名の患者様に対応させていただいております。
また女性歯科医師も在籍し、妊娠中の方、女性の口臭、ホワイトニングなどに対応し、恐怖心が強い方のデリケートな課題にもしっかり対応している歯科医院です。
これからも皆様の健康な歯と身体のために、私たちに何ができるのかを常に模索し

「患者様、利用者様の健康を口腔から一生守りぬく」

を合言葉に、皆様に頼られる歯科医院であり続けるための努力を重ねてまいります。
また今以上に「先生と出会ったら元気が出る」と皆様に喜んでいただけるように邁進してまいります。

院長プロフィール
【略歴】
昭和53年 広島県立呉三津田高等学校卒業
昭和61年 城西歯科大学(現・明海大学)歯学部卒業
医療法人博和会平田歯科医院(広島県安芸郡海田町)勤務
昭和63年 同 鯉城歯科に分院長として勤務(JR新幹線口駅前)
平成元年 藤本歯科医院開院
平成22年 医療法人 健真会 藤本歯科クリニック 開設
臨床研修医療機関認定
平成23年 広島大学臨床研修医療機関認定
【所属団体】
  • 日本審美歯科学会会員
  • 臨床研修医指導医認定
  • 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会委員
  • IDI正規会員

藤本院長 インタビュー

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皆様は「口腔ケア」と聞いて、どのようなケアを思い浮かべますか?

お口の中を清潔に保つことや義歯などをきちんとメンテナンスすることは、虫歯や歯周病、口臭などの予防になりますが、「口腔ケア」はそれだけにとどまりません。
歯肉・頬部のマッサージ、食事の介護、口腔乾燥予防、咀嚼・摂食・嚥下や発声・構音のトレーニングなど多岐にわたり、誤嚥性肺炎の予防、インフルエンザの罹患率の低下、食欲増進、味覚の保持、上肢や手指のリハビリなど、じつにたくさんの効果があるのです。
そのことによってコミュニケーションの円滑化が図られ、爽快感も得られ、食事をおいしく食べられるようになるなど人が生きていくうえで大事なQ.O.L.(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を大きく向上させるのです。

今回は、呉市で施設、居宅支援事業所、行政、包括支援センターなどと多職種チームを組んでの訪問診療など、介護事業においても積極的な取り組みを行っておられる「藤本歯科クリニック」の藤本文彦院長にお話を伺いました。

――先生は訪問診療に力を入れていらっしゃるそうですね。

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当院は外来で一般歯科や矯正の診療をしていますが、訪問歯科診療も平成元年から28年間行っています。
はじめは虫歯や歯周病の治療、入れ歯の修理、抜歯などの処置が多かったのですが、少子高齢化にともない介護保険ができてからは、施設で要介護認定を受けら れている方や在宅の方のところへ歯科医師や歯科衛生士、看護師が出向いて、口腔ケア、嚥下リハビリなどの食事の観察(ミールラウンド)に取り組んでいます。

現在、ご高齢者や寝たきりの方など、食事に介助が必要な方の死因の第3位は誤嚥(ごえん)性肺炎です。そのリスクを少しでも減らすことができるように口腔ケアに力を入れています。

誤嚥性肺炎は、さまざまな機能低下が重なって引き起こされます。
咀嚼(そしゃく)に関しては、入れ歯が入っていないと食べにくい、スピードが落ちる、舌根が沈下する、睡眠時無呼吸症候群で窒息しそうになるなど、さまざまな不具合が起こります。
舌の力がないと咀嚼期から咽頭期へのスピードが出ず、嚥下のキャップがきちんと閉まらないと唾液や飲食物が食道に行かずに気管や肺に入ってしまうこともあるのです。そして肺に入る防御システムがうまくいかず、抵抗力が弱っていると肺炎を引き起こしてしまいます。

また自分で飲み込みができず、昼間は現場のスタッフさんに介助を受けられている方が就寝時に唾液を誤嚥して肺炎になるケースもあります。
とろみがついた食事をされている方は嚥下の反射や準備期(咀嚼期)から咽頭期にかけての機能が鈍っていますので、水がうまく飲めません。そのため唾液を誤嚥する危険があるのです。

ほかにも認知の問題もあります。たとえば自分がイチゴを食べているのかトマトなのか分からなかったり、「これをこうしてください」といわれても理解できなかったりすると、誤嚥性肺炎にかかるリスクはぐんと高まります。

胃ろうの方も口腔ケアが必要です。食べていないから汚れていないわけではないのです。
胃から逆流することもありますし、口腔内に汚れや細菌が多いと誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
トレーニングをしないと廃用(機能低下)が進み、筋萎縮などがはじまりますので、歯科衛生士さんや看護師さんが衛生状態を含めて口腔機能の管理をする必要があるのです。
また骨折やがんなどで入院さえている方でも、ケガや病気そのものではなく、寝ているときの誤嚥で肺炎になって亡くなられる方もとても多いので、お口の中はきれいにしておかなければならないのです。

――命にかかわることもある大切なことなのですね。

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食事のカロリーを上げるとお口まわりの廃用が進みにくくなり、その結果、誤嚥性肺炎のリスクも低下しますが、すぐにカロリーを高くすればいいというものではありません。
口から入ってきたものは消化器官を通って排せつまでのサイクルがありますから、そのどこかの機能が弱まっているのに、どんどんカロリーを増やしても功を奏しません。そういった全身管理を医師や看護師がしっかりと把握しています。

胃ろうにすれば一度で必要なカロリーが入りますが、そういうことではなく、口から食べることというのは生きていくうえでの喜びでもありますから、生命体として口腔機能の維持や向上というのは、とても大切です。「介護6ヶ条」のひとつに入っているほどです。水が飲めないのであれば胃ろうから水分を補充し、口からは誤嚥しにくいものを通すなど、NSTの医師の先生から直接指導を受けています。

厚生労働省もだんだんそこを評価するようになってきていて、訪問歯科での嚥下リハビリや口腔ケアについて指針を出していますから、これも歯科医師の仕事の一部だと私は把握しています。
介護現場では利用者様という言葉が使われているわけですから、「利用者様」という言葉を普通に使える歯科医が増えてほしいと思います。しかし、それが歯科医業としてちゃんと成り立つかどうか?
まださまざまな問題もあって、なかなかうまくいっていないのが現状です。

――訪問診療の口腔ケアや嚥下リハビリテーションに至るまでの流れを教えてください。

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はじめはすべて施設、病院、在宅からの依頼を受けます。

介護保険でいうと、

飲み込む状態が悪いので、嚥下のリハビリをお願いします」という依頼が来る。

計画を立てて実施してもらう。

再評価。

という流れです。

たとえば急性期に口から食べられず胃ろうになられていた方が、口から食べてみたいという場合、まず病院で造形法(VF)や内視鏡(VE)などの嚥下評価テストを行ってもらい、医師に評価をしていただきます。
施設などでは、利用者様がどういう形態の食事をどういうポジション(座位、車いすなど)で摂るか、管理栄養と医師が栄養マネージメントを作成しています。 そしてご依頼があれば、歯科医師と歯科衛生士、看護師、そしてケースによっては言語聴覚士やPT、OT、理学療法士などと一緒に対応します。胃ろうだった方が普通の食べものを食べられ るようになって、PEGを抜去した例もあります。

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食べる(咀嚼する)ことができても、お口の中にため込んでしまい、飲み込みきれない方、食べることはできるけれどもカロリー的に全量食べられない方など、いろいろな状態の方がおられます。
そのような方の食事の形態を少し変えてあげる、たとえばおかゆの状態や刻みの状態から普通食に戻してあげる、というようなことを判断するのです。
うちのスタッフだけでなく、主治医のお医者さん、看護師さん、管理栄養士さん、介護主任さん、理学療法士さん、作業療法士さんなど多種連携で対応します。
食べるときのポジションや肺活量をアップするトレーニングなどすべてが関係しますから、耳鼻科の先生や病院歯科の先生などとも連絡を取り合っています。そのような連携を基に、本院では介護施設や住居支援事業所や包括支援センター、社協に向けて、大病院の病院歯科部長などにセミナーを開催していただいております。

介護職や病院の勤務形態は基本的に365日お忙しいですし、全身の管理をされていて口腔内の管理まではなかなかできません。そのため週1回でも我々が行くことによって虫歯の状態や粘膜の状態、唾液がちゃんと出ているかどうか、しゃべれるかどうか、などさまざまなバイタルチェックをして全体的な評価をしていきます。

――訪問できるエリアは決まっているのですか?

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訪問診療は、日本全国、病院や医院から半径16km以内と法的に決まっています。「摂食嚥下関連医療資源マップ」で検索されると、嚥下に取り組んでいる医療機関が載っています。広島県では現在29ありますが、開業医さんで取り組んでいるところは、そこまで多くありません。

――先生のクリニックはさまざまなスタッフさんがいらっしゃいますね。

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約40人のスタッフがいますが、これでもまだ足りません。飲み込みの話にかぎらず、脳梗塞や脳血管障害の後遺症で「食べられるけれど、発音ができない」「『らりるれろ』がいえない」という方もいらっしゃるので、そういう方については発語トレーニングができる専門の言語聴覚士さんがどうしてもそばにいてほしくなります。
なかなか言語聴覚士さんはいらっしゃいませんから、もっと多くの言語聴覚士さんに来ていただきたいと思いますね。

また看護師さんや衛生士さんもどんどんレベルアップしないといけませんから、いろいろな先生を講師に呼んで嚥下の話をしていただいたり、勉強会を開いたりをしょっちゅう行っています。機能をアップするトレーニングだけでなく、胃ろうなどの栄養食や嚥下食などの勉強もしています。
また包括支援センターなどで月に1回くらいの口腔ケアの勉強会なども長年行っていますし、要支援の段階の方が要介護までいかないようにするために行政が主催している教室などで、衛生士さんと歯みがきの仕方などを指導しています。また、近年は新予防給付、ひきこもり予防など、元気な方に対してのサロンも必要だと感じています。

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食事は1日3食、1週間で21回あるわけですから、本当はご自分やご家族の方など毎日介護されている方が日々の口腔ケアをされて、我々はそれを指導するというのがベストだと思います。
患者様が疑問を持たれていることに答えてあげたいし、そういう教育の場がないのはおかしいと思っています。そのため今までそのような現場を多く見てきた自分がやっているわけですが、自分自身も東京や九州などのいろいろな先生や国の動きが見えるような人に、いろいろなことを教えてもらって勉強しています。

――そのような中で、どんなことをお感じになられていますか?

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東京や大阪など都会であれば摂食嚥下の訓練も口腔ケアもきちんとできるのに、田舎の方ではできていないなど、介護保険や医療保険を国にお預けになっているにも 関わらず地域によってサービスが受けられない方がいらっしゃいますよね。離島へ行けば、ドクターがいない、衛生士がいない、ということも多々あります。

私も利用者様や患者様からのご依頼を受けて、先生や看護師、歯科衛生士を集めるのに困っているほどです。すべての方がサービスを受けられているわけではありません。
受けられる権利があるのに受けられていないということや、Aという施設では口腔ケアを一生懸命やっていて肺炎が少ないのに、Bという施設は口腔ケアが不十分で誤嚥性肺炎の発症率が高い、というようなこと。

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また急性期には大病院の病棟で歯科衛生士がビニールエプロン、ゴーグルとマスクをつけて徹底的に口腔ケアをしていても、回復期に自宅に帰ってきたときにケアマネージャーさんが口腔ケアをプランに入れてくれなかったら専門家は行けませんよね。

また特別養護老人ホームには要介護3以上しか入れませんから、状態がまあまあよい方は入れません。その次の介護老人保健施設には入れますが、自己負担金が高くなってしまうので、いろいろな経済事情もある。
とにかくみんながみんなサービスを受けているわけではありません。となれば、やはりそこは一生懸命やってほしいと思いますし、一部負担金や訪問診療もかかりますが、大事なことですよね。

――ほかに先生が大切にされていることはありますか?

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当院は長く訪問医療に従事しているのでさまざまな場所に伺えますが、普通、歯科医師が施設に行こうと思っても結局はネットワークがないとなかなか行けません。
お医者さんや管理栄養士さん、施設長さんや相談員さん、ソーシャルワーカーさん、病院歯科であったり総師長さんであったり、たくさんのネットワークがありますが、今からの地域包括ケアは、現場でどう対応していくか、それぞれの専門家が同じ目線に合わせてやっていくことが大事だと思います。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会という摂食嚥下の勉強をしたい人はそこに集まっています。そこで摂食嚥下認定の看護師さんなどと知り合 うことがあり、そういう方に教えていただくこともあるのです。やはり看護師さんは全人的な看護をされているので。私は歯においてはスペシャリストですが、 どうしても部分的なことですから。

――一般の方からの問い合わせも多いのではないですか?

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九州地方や岡山県など、いろんなところから「しっかり食べさせてあげたい……。何かアドバイスありませんか?」とここまでいらっしゃりたいとおっしゃる方もおられます。
県外などであれば、「そんなこといわずに、大学病院で評価してもらってください」とお伝えします。もしそのエリアで対応されている先生がいらっしゃれば紹介しますし、きちんとしたところできちんとトレーニングを受けるようにアドバイスします。

たとえば、「父が誤嚥して亡くなってもいいから、もう1回、口から食べさせてあげたいのです」なんていわれたら、熱いものがグッとこみあげてきますよ。法的にはお医者さんだけでなく、歯科医師も摂食嚥下トレーニングの指示を出せますから、主治医の先生に伝えられなくて私に相談されるわけです。セカンドオピニオンじゃないですけど、今はご本人やご家族の方から直接アプローチいただく時代です。
そのため、こちらも詳しく勉強する必要があります。自分がやってきたことの延長ですから。

歯にまつわることでいえば、入れ歯が合わないだけで嚥下の状態が悪くなることもあれば、入れ歯を調整・修理して咀嚼ができるようになっただけでグングンよくなる場合もあります。
うちには言語聴覚士さんや看護師さんもいますし、耳鼻科の先生や脳外科でNSTの指導をされている先生がおられるため、嚥下のことで何かありましたら、大学病院や県病院など大きな病院に行く前に、まずどんなことが民間レベルでできるのか、気軽にご相談いただければと思います。

これからもそれぞれの専門家との連携を互いにしっかりとって、機能の評価やトレーニングのみならず、虫歯や舌がん、歯肉がんなどの早期発見・早期治療などにいかしていく、そんなスタンスでやっていきたいと思っています。

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